いちから分かる癌転移の治療方法ガイド

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横須賀市立うわまち病院

神奈川 手術放射線治療化学療法
横須賀市立うわまち病院のキャプチャ
引用元:横須賀市立うわまち病院公式HP
https://www.jadecomhp-uwamachi.jp/

開設から100年以上の歴史を有する横須賀市立うわまち病院

神奈川県横須賀市にある横須賀市立うわまち病院は、明治の頃から令和の現在に至るまで100年以上にわたって地域の人々の健康サポートや癌治療などに当たってきた医療機関です。今でも地域医療の中核病院として多くの人の治療を行っています。

横須賀市立うわまち病院の医師

大泉 幸雄

大泉幸雄医師は横須賀市立うわまち病院の高精度放射線治療センターで放射線治療を行うドクターであり、1974年の医師免許取得から半世紀近くにわたって放射線治療に携わってきた放射線治療のプロフェッショナルです。東海大学医学部放射線科で助教授職や教授職を歴任した後、2014年から横須賀市立うわまち病院に着任しました。

日本医学放射線学会や日本放射線腫瘍学会、日本定位放射線治療学会に所属しており、医学博士として博士号も取得しています。専門領域として高精度放射線治療であるIMRT(強度変調放射線治療)を得意としており、前立腺癌などの患者に対して安全性と治療効果の両面を追求した放射線治療を提供しています。

目次

横須賀市立うわまち病院の特徴

地域の人々に寄り添って適正な治療を提供する総合病院

横須賀市立うわまち病院は地域医療を支える中核病院として100年以上にわたって運営されており、地元の診療所や病院といった医療機関や医療従事者とコミュニケーションを密にしながら、それぞれの患者のためを考えた医療サービスを提供しています。

高精度放射線治療センターや低侵襲手術センター、総合診療センターなど専門性の高い部署を開設しており、より精密な治療を必要とする患者のニーズに対して具体的なプランを提案しています。

横須賀市立うわまち病院の治療方法

放射線治療

高エネルギーX線を活用した高精度放射線治療

横須賀市立うわまち病院では従来の放射線照射よりも治療効果と安全性の両方を追求できる放射線治療として、高エネルギーX線外部照射を活用した放射線治療を提供していることが特徴です。多くのケースにおいて画像誘導放射線治療(IGRT: Image-guided Radiation Therapy)を導入しており、定位放射線治療(ピンポイント照射)や強度変調放射線治療(IMRT)といった高精度放射線治療が行えます。

なお、2022年度時点において横須賀市で保険診療のIMRT治療を受けられる医療機関は横須賀市立うわまち病院だけとなっており、IMRTをさらに発展させた強度変調回転放射線治療(VMAT: Volumetric Modulated Arc Therapy)を実施していることも見逃せません。

強度変調放射線治療(IMRT)とは

強度変調放射線治療(IMRT)とは、あらかじめ検査用CTによって患者の体内にある癌細胞の形状やサイズを確認しておき、癌の状態に合わせて放射線の照射強度を任意に調節しながら、多方向からターゲットへ向けて放射線を照射する高精度放射線治療です。

歪な形状の癌細胞に対しても効果的な放射線治療として活用されており、患者の正常細胞や健常な組織への被曝ダメージを抑えながら治療効果を高められることが強みです。

強度変調回転放射線治療(VMAT)とは

強度変調回転放射線治療(VMAT)はIMRTの進化版として開発された治療法であり、IMRTの照射精度をさらに高めることで照射時間を短縮し、より困難な位置にある癌にもアプローチできるようになりました。

これにより、様々な種類の癌や転移癌に対して放射線治療の効果を発揮することができます。

IMRTやVMATが適用される癌

IMRTやVMATが適用となる癌としては様々なものが想定されます。例えば、脳腫瘍患者に対しては、目や脳幹といった重要な臓器へのダメージを抑えられるVMATが有効とされており、小さな脳転移に対しても効果的な定位照射を実施可能です。

転移のない小さな肺癌に対しては定位照射で縮小手術と同レベルの治療効果を期待することが可能であり、リンパ節転移やサイズの大きな癌に対してもVMATで対処することができます。また、進行した肺がんに対しても放射線治療後に免疫チェックポイント阻害薬を併用することで、治療成績の改善が見込めるとされています。

乳癌患者に対しては術後の局所再発リスクを低減するために、術後照射として放射線治療が利用されます。なお、照射範囲の近くに心臓があってリスクが高まる場合、晩期心毒性を抑制するために深吸気息止め照射(DIBH: Deep Inspiration Breath Hold)が採用されます。

転移病変に適応する高精度放射線治療

癌が進行して全身の各所へ転移した際、従来は抗がん剤による治療しか効果的と認められる手段がありませんでした。しかし近年は少数転移であれば局所治療の追加によって治療効果が優位に高められるという報告がされており、緩和治療目的でも放射線照射を併用した治療プランが提案されています。

癌の進行期では様々な部位に転移をきたします。従来は抗癌剤のみが唯一の治療法でしたが、近年では少数の転移であれば転移病巣があっても局所治療を追加したほうが良好な経過をとることが報告されています。局所療法としては、定位照射は苦痛も少なく治療期間も短いため積極的に検討すべき治療法です。また、症状緩和を目的に施行されることもありますが、そのような場合には早急に対応を行います。

引用元:横須賀市立うわまち病院|高精度放射線治療センター
https://www.jadecomhp-uwamachi.jp/gaiyou/bumon/hatr/

横須賀市立うわまち病院のIMRT提供チーム体制

IMRTは治療効果を期待できる優れた放射線治療とされていますが、実際に患者へ適正な治療を提供するためには相応のチーム体制の構築が必要です。

横須賀市立うわまち病院では放射線治療医が常勤し、さらに診療放射線技師や経験を積んだ看護師などの医療従事者が連携することで、機能的なチーム医療を実施しています。加えて、医学物理士が放射線治療計画のプランニングや品質管理のサポートに尽力し、多角的なアプローチで患者のための治療品質の向上を目指しています。

IMRTは、高度な技術であり、治療を行うスタッフ・技術・設備がある程度整っている必要があります。現状では、大学病院など比較的規模が大きな医療機関を中心に採用されている治療法です。このように実施する医療機関が限られていることが治療を受けるまでの待ち時間を長くしており、結果的にIMRTを必要とする患者さんに治療が届いていないという悲しい現状があります。私たちうわまち病院では、IMRTが必要な患者さんへ治療を届けられるよう、体制を整えています。

引用元:メディカルノート|横須賀市立うわまち病院における安全で効果的なIMRT(強度変調放射線治療)
https://medicalnote.jp/contents/170221-005-FZ

ロボット手術

手術支援ロボット「ダヴィンチ」を利用した前立腺癌手術

横須賀市立うわまち病院では2014年6月30日から手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入し、前立腺癌の患者に対して内視鏡カメラとロボットアームによる高度内視鏡手術を実践しています。

ダヴィンチには複数のロボットアームが搭載されており、その一つに内視鏡カメラが設置され、肉眼の10倍に及ぶ視野を高精細3Dモニターで確保しながら、精密な手技を実践することが可能です。

ダヴィンチは外科医が直接に患者の体へ触れるのでなく、リモート環境でロボットを遠隔操作し、機械制御された複数のロボットアームが患者の患部を正確に処置することがポイントです。これにより人間の手では実現困難なレベルの外科治療が実現され、開腹手術や開胸手術と同程度の治療効果を、内視鏡手術レベルの低侵襲性で叶えることができます。

当院では2014年にダビンチを導入し、6月から運用を開始しています。私自身、もともと内視鏡の手術をメインでやってきたこともあり、ロボットの手術にも興味はありました。また、学会に行って他施設のロボット手術のデータを見ると、非常によい手術成績を出している施設が多かったことから、自分でもロボット手術をやってみたいという気持ちがありました。

引用元:メディカルノート|前立腺がんでのロボット手術――ダビンチによるロボット手術のメリット
https://medicalnote.jp/contents/160729-002-OO

横須賀市立うわまち病院の施術について

横須賀市立うわまち病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。

放射線治療の流れ

診察

まず放射線治療や高精度放射線治療が適応かどうか、日本医学放射線学会・放射線治療専門医の診断を受けて判断されます。なお、その際には各診療科の主治医とも連携して、複数の医師や専門家が意見を交換しながら適切なプランニングを進めることがポイントです。

治療計画作成

放射線治療が適応と認められれば、改めて治療計画の策定に進みます。なお、治療計画の具体的な実効性については医学物理士が協力して物理工学の面からも検証してくれることが重要です。

治療

治療計画に則って放射線照射が実施されます。治療期間や照射回数は患者ごとに決定され、同時に定期的な診察を通して治療効果の確認や、治療計画変更の有無を検討されます。

予約方法

高精度放射線治療センターで放射線治療を受けるためには、横須賀市立うわまち病院の地域医療連携室(046-823-2630)へ電話でお問い合わせください。

治療費について

放射線治療に関する治療費について公式ホームページに記載はありませんでした。

横須賀市立うわまち病院の基本情報

横須賀市立うわまち病院
診療科目 総合内科、総合診療科、精神科、脳神経内科、糖尿病・内分泌代謝内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、腎臓内科、小児科、外科、整形外科、脊椎・脊髄外科、形成外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚科、泌尿器科、産科・婦人科、耳鼻いんこう科、眼科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、救急科(救急総合診療部)、救急科(集中治療部)、病理診断科
診療時間 8:30~11:30(初診受付時間)
休診日 日曜・祝祭日・年末年始
所在地 神奈川県横須賀市上町2-36
電話番号 046-823-2630
ベッド数 417床(2023年5月18日調査時点)
年間治療患者数 手術実績:428件、化学療法実績:918件(いずれも令和4年度実績)
対応可能な治療方法 手術治療、放射線治療、化学療法
設備 手術支援ロボット「ダヴィンチ」、CT、MRIなど(2023年5月18日調査時点)
URL https://www.jadecomhp-uwamachi.jp/