
日本医学放射線学会・放射線治療専門医が高精度放射線療法を提供
国家公務員共済組合連合会(KKR)が運営する横浜栄共済病院(横浜栄共済病院)は、1938年に設立された海軍燃料廠から84年の歴史を持つ病院であり、2019年には創立80周年を迎えて病棟再整備事業を完了し、新しい医療環境や設備の導入も行いました。横浜市の地域において人々の健康を支える基幹病院として運営されており、また地域がん診療拠点として周辺エリアの癌治療の土台を支える医療機関になっていることも特徴です。放射線治療のための装置として「リニアック」を導入しており日本医学放射線学会・放射線治療専門医を筆頭に、専門チームが高精度放射線療法を実施しています。
また、放射線治療に手術や抗がん剤治療、緩和ケアなどを組み合わせた集学的治療を実践していることも重要です。
横浜栄共済病院の責任者としてチームを牽引するドクターが、放射線治療科部長の阿部達之医師です。阿部医師は日本医学放射線学会放射線治療専門医と研修指導者の両資格を取得した、放射線治療のプロフェッショナルであり、研修指導者として未来の放射線治療の医師を育てるために尽力していることもポイントです。
阿部医師は専門医として放射線治療全般を専門領域としており、さらに脳腫瘍・頭頸部癌・乳癌・泌尿器癌・肺癌の治療を得意分野としつつ、3次元原体照射(3DCRT)や定位放射線治療(SRT)、強度変調放射線治療(IMRT)といった治療法から患者のために適切なプランを提案しています。
横浜栄共済病院では放射線照射装置「リニアック」をベースとした高精度放射線療法に加えて、手術や抗がん剤治療、緩和ケアといった治療を融合させる、集学的治療を実践していることが特徴です。
また、放射線治療は根治照射だけでなく、他の標準治療の補助目的で活用されることもあり、さらに治療効果を高められるよう積極的に画像誘導放射線治療(IGRT)といったシステムを利用している点も見逃せません。
2020年1月からは診療放射線技師を増員。さらに、2020年4月からは常勤の日本医学放射線学会・放射線治療専門医も増えており、一層に専門的な治療環境の構築が実現しました。
リニアック(Elekta社 Synergy)という高エネルギーX線照射装置を用いて、癌の治癒を目的とした根治照射、再発防止目的の術後照射、骨転移の疼痛軽減や脳転移のコントロールなどを目的とした緩和照射を行っています。臨床各科と密接に連携しながら個々の患者さんに適した高精度放射線治療を提供します。
引用元:横浜栄共済病院|放射線治療科
https://www.yokohamasakae.jp/department/radiation/index.html
強度変調放射線治療(IMRT)は、リニアックを活用した高精度放射線療法として提供されている放射線療法の1つです。
従来の放射線治療「3次元原体照射(3DCRT)」では、多方向から同強度の放射線を照射していたため、癌の形状や位置によっては健常な組織や臓器へ放射線によるダメージが強まったり、癌細胞に対して十分な放射線強度を得られなかったりといった問題がありました。
一方、IMRTでは任意に放射線の強度を調節しながら、多方向から指定の癌細胞や癌組織へ集中的に放射線照射を行うことが可能です。これにより、歪な形状を持っているガン組織に対して、必要十分かつ少ない放射線照射を行えるようになり、健常細胞などへの放射線被害も低減できるようになりました。
3次元原体照射(3DCRT)は、文字通り癌組織に対して立体的に放射線照射を行う治療法です。あらかじめCTやMRI、PET/CTといった検査を活用して、癌のサイズや場所、形状などを分析します。
定位放射線治療(SRT)とは3DCRTを進化させた放射線療法であり、多方向から任意の癌組織へ強度を抑えた放射線を複数照射して、最終的に癌組織がある位置で放射線を収束し、高エネルギーを発揮させることが目的です。それぞれの放射線は強度を抑えられているため、従来の放射線療法よりも健常細胞や臓器へのダメージを抑えられるようになっており、副作用のリスクを低下させられるようになりました。
なお、IMRTはSRTをさらに発展させて、画像誘導放射線治療(IGRT)を活用しながら放射線の照射強度をリアルタイムで調整している点が違いです。
画像誘導放射線治療(IGRT)は、高精度放射線療法を実現するための要の1つとなっている技術です。
IMRTの治療効果を最大限に発揮させるためには、複雑な癌の形状に合わせて、適切な照射角度と照射強度を調節することが必要となります。
当然ながら、高精度放射線療法では事前の検査によって癌の状態を把握していますが、それでも術中の影響などにより癌の状態が変化することもあるため、100%事前検査が正確であるとは限りません。
そこで、リアルタイムで患者の体内を視覚化して癌の様子を画像化できるIGRTシステムを活用し、IMRTの精度を高めていることが重要です。
また、横浜栄共済病院ではSRTやIMRTといった放射線治療だけでなく、緩和照射などにもIGRTが積極的に活用されています。
早期の乳癌の治療では乳房温存療法が標準治療として定められています。
乳房温存療法を実現するためには、必要最小限の範囲で手術を行った後に放射線治療を重ねて、手術によって取り切れなかった癌細胞の根絶を目指すことが大切です。
術後照射を行うことで、術後照射を行わない従来の乳癌手術と比較して再発癌リスクがおよそ半分程度にまで抑えられ、患者の生存率も向上すると期待されています。
放射線照射は平日に毎日1回2グレイ、全25回(標準法)実施します。なお、術後の経過観察を併用しながら、追加照射の必要性について検討されることもポイントです。ただし化学療法を併用していない患者の場合、全乳房に1回2.66グレイを16回行う寡分割法(かぶんかつほう)が選択されることもあります。
早期乳癌の標準治療は乳房温存療法です。
乳房温存療法の基本は癌を小さく切除して術後に放射線照射を行うことです。術後照射を行うと、照射しない場合に比べて乳房内の再発が1/2程度に減少し、生存率が向上します。引用元:横浜栄共済病院|放射線治療科
https://www.yokohamasakae.jp/department/radiation/index.html
横浜栄共済病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
地域がん診療拠点として指定されている横浜栄共済病院では、原則として放射線治療を受けるために地域のかかりつけ医からの紹介状が必要です。
その上で、事前に診療予約を行い、初診受付へと進みます。全体的な流れはおよそ以下のようになります。
初診受付は病院の総合受付で行ってください。また、その際は保険証や紹介状などを提出します。その後、放射線治療科で診察や検査を受けるという流れです。
紹介状の内容や添付データ、検査結果などを総合的に考慮して、担当医が複数科と連携しながら治療計画を立案します。
放射線照射は治療計画に則って実施され、予定の治療が終了した後で追加照射を行われることもあるでしょう。また、放射線照射後は経過観察とアフターケアによって癌の再発リスクを抑えることがポイントです。
横浜栄共済病院の診療受付時間は「平日の8:30~11:00」となっており、この時間に電話か再来受付機(再診)で予約を行います。なお、受付時間外(11:00~17:00)に予約の変更等を相談したい場合、総合受付が窓口となります。
受付時間内に予約の変更を申し込む場合、予約している診療科のブロック受付か電話によって相談してください。
なお、放射線治療科は完全予約制が採用されている他、内科系診療科の受診については再来受付機で予約することができません。
紹介状のない方でも診療を受けられる可能性がありますが、その場合は初診時選定療養費として税込7,700円が別途必要です。なお、横浜栄共済病院から地域の診療所やクリニックを紹介されているにもかかわらず、再び横浜栄共済病院で診察を受けようとする場合、再診時選定療養費として税込3,300円が必要となります。
| 国家公務員共済組合連合会 横浜栄共済病院 | |
|---|---|
| 診療科目 | 内科、小児科、外科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科、消化器外科、乳腺外科、整形外科、泌尿器科、皮膚科、耳鼻咽喉科、形成外科、産婦人科、眼科、歯科口腔外科、麻酔科、循環器内科、代謝内科、内分泌内科、消化器内科、腎臓内科、呼吸器内科、脳神経内科、精神科、救急科、放射線科、放射線治療科、リハビリテーション科、病理診断科 |
| 診療時間 | (外来受付)8:30~11:00 ※診療科によって受付時間が異なる場合があります。 |
| 休診日 | 土曜日、日曜日、祝日、創立記念日(7月15日に一番近い水曜日)、年末年始(12月29日~1月3日) |
| 所在地 | 神奈川県横浜市栄区桂町132番地 |
| 電話番号 | 045-891-2171 |
| ベッド数 | 430床(2025年10月17日調査時点) |
| 年間治療患者数 | 乳腺外科手術実績(2024年度):160件(うち乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない):62件)) |
| 対応可能な治療方法 | 手術・抗がん剤治療・放射線治療・緩和ケアを合わせた集学的治療 |
| 設備 | 高エネルギーX線治療装置(Elekta社製リニアック)、CT、MRIなど(2025年10月17日調査時点) |
| URL | https://yokohamasakae.kkr.or.jp/ |